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2014年2月5日水曜日

ISOマネジメントシステムが弱めた日本企業の競争力

皆さんの会社でも、ISO9000や14000,情報セキュリティマネジメントシステムなどを入れているところは多いのではないでしょうか。

ISO9000を筆頭としたこれらのマネジメントシステムが導入されはじめたのが1990年代の後半。ちょうど日本メーカーの伸びが停滞し始めた頃と一致します。

もちろん、ISOだけのせいでメーカーの競争力が失われたわけではなく、円高、国内人口の停滞、米国を追い抜き目標が見えにくくなった、など複合的な要因が多々あるが、ISOもその隠れた主因ではないかと思っている。

昔、ISO9000の監査を受けた時、初年度の品質目標を達成したので2年目は据え置きの目標にしようとしたら、外部監査員から「品質改善が十分であることは、あり得ません。まだ改善できる部分があるはずですし、なければ他の問題があるはずです」というようなことを言われて、違和感を覚え文句を言ったことがあった。
もちろん探せば何処かに改善すべき品質問題はでてくるだろうが、あくまで他の目標とのバランスを見て決めないといけない。また、品質を90%から95%にするのより95%から99%にする方が遥かに大変になってくるので、会社の競争力に結びつかない過剰な改善努力は避けるべきだろう。
そもそも、ISOマネジメントシステムの基本コンセプトは「結果ではなくプロセスの品質を管理する」ものと当初、90年代には聞いていた。それが、急速なISO人気の高まりで、昔ながらの品質偏重世代のおじさんたちが、QC活動とISOをごっちゃにして国内で広めたものと思われる。
ISOの「業務プロセス自体の品質を担保する」という考え方は人の出入りが激しく、労働者の質に大きなばらつきがある欧米では重要なのだろうが、日本では重要性は低い。何より既に高品質なものを作っていた 日本メーカーが相手の土俵まで降りる必要はなかったのだと思う。

実際ISOを導入すると、その維持の手間は半端ではない。その手間を本来の品質改善に振り向けた方がよっぽど品質改善につながると思う。
更にISOの悪い所は、組織の官僚化を促進してしまうことだ。結局、どこの企業も日々忙しい仕事の中で、ISOによる文書作成やレビュー会議などはまともに実施せず、監査前に慌てて書類の体裁を揃えて「やったことにする」。監査組織も薄々それがわかっていながら、ISOをやめられてしまうと顧客を失うので見て見ぬ振りをして是正指示だけ指摘する。
経営者は自分には面倒なことが回ってこないので「ISOの導入は大変だけど、ISOの取得維持が目的ではないので、そのコンセプトを理解して真の業務改革に結び付けるように」など口当たりの良い言葉でごまかしている。
このようなやり方を若い頃に学んだ社員は、仕事ってこういうものでいいんだ、と形式主義、官僚主義に陥ってしまう。

結局、儲けたのはイギリスの認証会社と、日本のコンサル会社だけだった。
なお、ISOをはじめとする国際規格は欧州特にイギリス発祥のものが多い。アメリカ人は販売力を生かしてデファクトスタンダードを抑えるのに長けていて、ブルーカラー従業員の質では 日本に叶わない、という欧州が、EUという市場の壁を利用して、日米を締め出すルールをつくっただけである。冷静に見回せば結局安くて良いものは売れるというのが世の通例なのだから、日本も過剰反応せず冷静にシステムの良い点だけ参考にすれば良かった。
言ってみれば企業向けの資格ビジネスだったのであり、儲かるとわかると矢継ぎ早にいろんなバリエーションを作って、商売にしたというところだろう。

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